ノロウイルスを予防するラクトフェリンの効果

ノロウイルスに子供が感染すると、家族全員に感染して一家総倒れという悲劇が起こってしまいます。
こういった感染症は、口に入れないのはもちろん、感染しにくい体づくりが大切です。

予防の基本は手洗い

ノロウイルスは、口から感染する病気で、予防の基本は手洗いです。
ただ、このウイルスは、石鹸の力では死滅しませんから、液体石鹸を使って手首から指先まで丁寧に洗い、30秒以上洗い流すことで落とすことができます。

また、ノロウイルスの弱点は、熱で、食材の中心温度を85℃以上にすることで、ウイルスの活動を止めることができます。
ただ、火を通せばよいというわけではなく、きちんと中心温度が85℃以上になるように調理することが大事です。

そのほかにも、まな板や調理器具には、熱湯をかけて消毒することが有効で、感染者の嘔吐物は手袋で完全防備し、汚染されたものをビニール袋に入れて、素早く処理することが大事です。
カーペットや床に付着したものを取り除いたあとには、塩素系の漂白剤をかけて殺菌します。

ラクトフェリンで感染しにくい体つくり

2012年～2013年に行われた調査では、ラクトフェリンを毎日摂取した人は、ノロウイルスに感染する割合が低いというデータが得られました。

ラクトフェリンは、乳や唾液、血液など、体内に誰もが持っている自然な物質で、アミノ酸の一部に糖が結合した糖タンパク質と呼ばれる物質の一つです。
鉄も含まれているため、赤色タンパク質とも呼ばれています。

このラクトフェリンが、腸の表面とくっついて、ノロウイルスに感染しにくいという研究の結果もあり、予防効果があると考えられています。

ヨーグルトに多く含まれていますが、それ以外にもナチュラルチーズにも多く含まれています。
気を付けないといけないことは、熱に非常に弱い物質のため、市販のチーズにはほとんど含まれておらず、ナチュラルチーズを選ぶことが大事です。

ラクトフェリンの効果

ラクトフェリンは、腸の表面にぴたっと張り付いて細胞をウイルスからガードするだけでなく、胃の中で変化して、ラクトフェリシンという物質ができます。
このラクトフェリシンは、ウイルスにくっついて腸の表面にある細胞に入り込むのをガードするため、インフルエンザやロタウイルスなどにも効果があります。

また、鉄分と結合しやすい性質があり、細菌が生きていくために必要な鉄を奪うことによって、増殖を抑えたり死滅させる働きがあり、歯周病にも効果的です。